この日の数日前の金曜日、殿上湯さんの御家族と川口喜楽湯さんのロビースペースでばったりお会いした。
その前にメガネを外した視界のおぼつかない浴室で「何となく似てるなぁ〜」なんて思いもしたが、何となくではなくご本人そのものだったのだから似ている訳だ。
そういえば最近あの水で蕩けていない。
バーカウンターでクリームソーダも飲みたい。
という事で週明け早々に殿上湯さんへ。
途中で自転車なのをいい事に、体に少し負荷をかけてからお湯をいただこうと、回り道して今では数少なくなった山手線の踏切を見に行く。
もしかするとここが山手線最後の踏切だったかもしれない。
ラッシュ時はやはりなかなか開かないのだろうか。
色んな事を考えたり妄想したりしながら山手線を何本か見送った後、坂を登って殿上湯さんへ。
殿上湯さんの暖簾が好きだ。
脱衣場の天井をぐるりと囲む装飾が屋号の周りにあしらわれたデザインがたまらなく好きで、訪れるたびに見蕩れてしまう。
斜めに木札を入れるタイプの下足箱も大好きだ。
開けた時の「用心」の文字がさらにたまらない。
フロント手前のクリームソーダの写真とドリンクメニューが誘ってくるが、先にお風呂だ。
まだ今じゃない。
脱衣場から浴室へのドアを開ける。
浴室に立ちこめる沸いたお湯の香りがたまらない。
桶と椅子を手にする前に深々と深呼吸するのは暑いも寒いも関係なく、殿上湯さんに来るといつものことだ。
深呼吸を終えてカラン前に座り、体を洗い清めお湯をいただく。
体に馴染むお湯は何度来ても心地好い。
深湯をじっくりいただくのも、浅湯で半身浴するのも大好きだし、そしてもちろん水風呂も最高だ。
水の良さを活かしたシンプルな浴槽構成。
交互温冷浴を繰り返し、「これが殿上湯さんの最大の武器だよなぁ」と思いながら何度も蕩けた。
そして湯上り、待ちに待ったクリームソーダをいただく番だ。
カウンターの向こうで原さんが手際よく作ってくれる姿を見て喉が鳴る。
提供されたクリームソーダのなんとも美しいこと。
真横から見ても美しい。
飲んでしまうのが惜しいが、浴室でたっぷり汗をかいた後でもあるし飲まずにはいられない。
素敵なイラストを眺めながら、秘密基地のような畳敷きのバーカウンターで、湯上りすぐにいただくクリームソーダの冷たさと甘さに舌も喉も蕩けた夜。
至福の時間をご馳走様でした🙏
最後までお読みいただきありがとうございました🙇♂️
※殿上湯さんで朝湯と珈琲牛乳フェスをいただいた時のブログがこちら。