暑くなってくると殿上湯さんの水風呂が恋しくなる日が増えてくる。
この日も何軒か候補はあったけど、浴室の写真がついた殿上湯さんのツイートを見てしまったこともあり、足は自然と駒込に向けて、自転車のペダルを漕いでいた。
坂道を上り、脇に自転車を止めて暖簾の前に立つ。
格天井を支える蟇股と、殿上湯の名の由来ともされる鷹狩りの鷹が描かれた暖簾にはいつも見蕩れてしまう。
受付を済ませたら、久しぶりの殿上湯さんを堪能すべく、しっかりと体を洗い清めてまずは水風呂で水通し。
沁みるというかとけるというかとにかくなじむ。
心地好すぎてうっかり眠りに落ちそうになってしまうくらいだ。
深湯に、ジェットのついた主浴槽に、浅湯にとしっかりお湯も堪能。
どの浴槽も心地好いが何とか眠らず蕩けるだけで済んだ。
体の水滴をぬぐい、服を着ようと戻ったロッカーの上に見慣れぬ財布。
置き去りにするのも何なのでフロントに預け、ジンジャーエールで喉を潤す。
そうこうしているうちに財布の持ち主さんが判明。
そして持ち主さんと一緒に来られていた方が、SNSで相互フォローしている「いつか会ってみたいなぁ」と思っていた方だということも判明。
変わった出会い方だが、これもまた銭湯が繋ぐご縁なのだろう。
「またどこかの銭湯で!!」と別れた駅までの帰り道、コンビニに立ち寄りアメリカンドッグをいただき、根元のカリカリ部分に蕩ける。
うん、いい夜だ。
何日かおいて、再び殿上湯さんへ。
この日は駅からの道を途中で左手に折れ、妙義神社さんへ立ち寄った。
こちらの手水舎にアジサイが浮かべられていたのを思いだしたからだが、今年はさらに華やかだった。
境内には夏越の大祓の見事な茅の輪。
夏越の大祓ということで、殿上湯さんでお湯をいただく前に茅の輪をくぐって今年前半の穢れを清めて厄災を祓い、無病息災を祈願。
お参りを済ませた後は坂を上って殿上湯さんへ。
先にも書いたがいつ見ても、何度見てもこの暖簾が好きなのだ。
下足箱を開けたところにある「用心」と書かれた金具も自分のお気に入りポイントの一つだ。
この日も恋しくなる水風呂を中心に湯ったりと蕩けさせていただいた。
広がる夜空がたまらない、開放感あふれたこちらのスペースで湯上りに過ごす時間もお気に入りポイントの一つだ。
お湯はもちろん、それ以外のお気に入りポイントが多数あふれる殿上湯さん。
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