「泣き」に行った。
途中までは「楽しみ」に行くつもりだった。
移動中の電車で見たツイートで気持ちが変わった。
そこに「近いうちにまた行きたい」「ずっと残って欲しい」と思っていた銭湯さんが廃業されていた。と書かれていたからだ。
この日行こうと思っていた銭湯さんからそう遠くはないし、信じられない気持ちと受け入れられない気持ちをどうにかするには、自分の目で確かめるしかない思い、先に行ってみようと足を向け現実を直視した。
灯りの消えた銭湯さんを周りから眺める。
もう灯らないかもしれない看板。
煙が上がることがないかもしれない煙突。
目に入る色々なものが染みた。
声は出なかったと思うが、少し涙が出た。
しばらく周囲を歩いたり佇んだりしたあと、現実を受け止めニュー恵比須さんに向かった。
フロントで番頭さんとやまと湯さんの話をする。
同じ地区の銭湯さん同士、顔を合わせることも少なくなかったとの事でとても寂しそうだったが、「せめて今日は大きなお風呂にゆっくり浸かって、疲れも汗も色んなもの全部流していきなさいな」と自分を気遣い、笑顔で送ってくれた。
タイミングよく貸切で入れたスチームサウナ。
座面に水を流して、頭からフェイスタオルを被って感情コントローラーのスイッチを切って座る。案の定こぼれる涙。
タオルを目深に被って感情の赴くまま過ごした後、露天スペースに出て水を被り、汗と一緒に色んなものを流した。
「今日のこの時、ここにあってくれてありがとう」
いつまでもそこにある訳じゃない。
いつそこに行けなくなるかだって分からない。
気がついた時にもう行く事ができないのでは、あまりにも切なすぎる。行けるその時に一回でも多く行きたいし、行って欲しい。
そんなことを思いながら歩いた帰り道。
自粛期間が終わったら、会いたい人がたくさんいる。
最後までお読みいただきありがとうございました🙇♂️
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