茗荷谷のマンガナイトBOOKSさんで「芳崎せいむ原画展」を見たあと、後楽園で丸の内線から南北線に乗り換え、目指す銭湯さんのある駒込へ。
霜降通りの手前から住宅街に入り10数分歩いて、目的のえびす湯さんに到着。
まず目を奪われたのは真っ赤な雨避け。
併設されたコインランドリーの雨避けも赤。
この大胆な色使い、インパクトがあって個人的に大好きだ。
入浴料金を払いながらご主人と会話を交わす。
物腰柔らかで温かさと気遣いのある素敵な方だ。
「こんなご主人が沸かすのはどんなお湯だろう」と期待が高まる。
ましてや使われているのは深さ130mから汲み上げた天然水との事。
個人的にこの周辺の水系の水が大好きなのでさらに高まる期待。
期待を胸に浴室に入ると、大きな壁に描かれたモザイクタイル絵に目を奪われる。
自分もあの絵が好きだから直近の改装時にもそのまま残した。というお気持ちもよく分かる。
壁だけじゃない、見上げれば虹のように白、橙、緑のボーダーが建物天井の両端からかかり、清潔な浴室をさらに明るく感じさせてくれる。
溶岩が積まれ迫力もある赤外線ランプ付き主浴槽、ご主人の柔らかな物腰と反比例してパワフルなジェットバス。凝り固まった肩や腰に強めの刺激が痛嬉しい。
この日の日替わり薬湯「きざみ桃の葉」はネットに入ったたっぷりの葉っぱが香しいオレンジ色のお湯。
たっぷりとしたサイズの湯槽の広さと主浴槽に比べて低めな優しい湯温が相まって、色も香りもゆったりと堪能できる。
自慢の地下天然水かけ流しの水風呂、肌なじみの良い水にゆったり蕩けさせられる。「コロナ対策で通常時より塩素を多めに使っている」旨の貼り紙があったが、自分が鈍いのか臭いはほとんど感じなかった。
コロナ禍以前はもっと心地好かったということなのだろうか。
玉石タイルの縁側に出て、この頃まだ立派に咲いていた紫陽花を眺めながら火照った体をクールダウンさせながら思った。
ロビーに置かれた自分で取り出すタイプの牛乳自販機が懐かしい。
下の方に空き瓶入れがあるこのタイプ、最近ほとんど見なくなったなぁ。
ご主人によると都内でもあと数台しか残っておらず、もう部品も無いから壊れたらお終いなのだそうだ。
いつまでも現役で頑張って欲しい。そんな思いを込めてコーヒー牛乳を一本いただき、飲み終えた瓶を下部にある引き出し状の空き瓶入れに入れる。
瓶を置いた時の「コトッ」とする音も、引き出しを閉めた時の「カタンっ」の音も「うん、やっぱり懐かしい。」
モザイクタイル絵や天井の鮮やかさに目から蕩け、柔らかな水に体が蕩け、懐かしい音に耳からも蕩けたえびす湯さん。
再訪問は間違いない。
至福の時間をご馳走様でした🙏
※1010、えびす湯さんの紹介ページはこちら。
湯上がりは巣鴨方面に向かい、駅近くのゆたか食堂さんへ。
「この値段で良いんですか?」と思ってしまう、魅力的なメニューが並ぶ店頭のボード。
おかず2品を選べる今週のサービス定食を注文し、牛リブロースのビーフカツと豚キムチ炒めを選ぶ。
おかずの盛りもご飯の盛りもたっぷり、小鉢だって2つも付いている。
この味、この内容で700円はお得すぎる。
女将さんもお兄さんも温かな方で、銭湯帰りだと告げると「どこ行ってきたの?」「○○湯さんも良いよ♪」「早く気軽にサウナ行きたいよね」と気さくに話しかけてくれ会話も(もちろん距離と声量に気遣って)弾み、楽しい湯上がり飯となった。
美味しい食事と至福の時間をご馳走様でした🙏
※ゆたか食堂さんが紹介されているHPはこちら。
この日は朝から推し事に励んでいたが、夕方からの時間だけで新たな「推し」が2軒増えた。
ただでさえ推しが多い巣鴨・駒込エリア、これからますます楽しみだ。
「新しいから、変えたから」といって必ずしも良くなる訳じゃないと思うし「残したい、使い続けたい」と思う気持ちがあれば、無理に変える必要は無いと思う。
愛をもって使い続けられている物にも自分は魅力を感じる。
提供者さんの怠慢による物は除くが「新しいから」「古いから」「あっちの方が」良い、じゃなくて「全部」良い。
大切なのは、享受される自分がどう感じるかだ。
これからも自分の「好き」な気持ちを素直に綴り続けて行こう。
小雨降る巣鴨の夜空に眩しく輝く、シャトーすがものネオンサインを見上げて思った。
最後までお読みいただきありがとうございました🙇♂️