2020年9月30日をもって豊島区大塚の玉の湯さんが廃業。東京からまた一軒銭湯が失われた。
以前から気になっていた玉の湯さんだが、自分にとってアクセスの良さが災いして訪問が遅くなってしまった。
タイミングが合わず、結局行くことができなかったサウナ玉泉さんの灯りの消えた看板に自分の判断の甘さを思い知らされる。
今までは定休日だったり、違う目的地に向かう道中に通りがかったりだったが今回は違う。
玉の湯さんでお湯をいただくことを目的に来た。
屋号の入ったすりガラスと花王石鹸の暖簾から歴史の重みを感じる。
どこの銭湯さんで見ても胸が苦しくなる内容のお知らせ。
フロントで入浴料金を支払い広々とした脱衣場へ。
浴室との境は海の仲間たちが描かれ天井から床まで続く、大きなガラス。
椅子が永久腰かけなのもたまらない。
床の白い玉石タイル。
壁に描かれた海と灯台。
湯船の周りにタイルであしらわれた花。
湯船のへり、緑色ベースのタイルも、富士山のような小山状になった埋め水を出す蛇口周りの小さなタイルもとても可愛い。
男湯と女湯の境の壁に描かれた鯉は今にも滝を登りそうだ。
少し熱めの湯温もたまらない。
「なんだ、こんなに自分好みの銭湯さんだったんだ。」
お湯に浸かり、カラン前で永久腰かけに座り、目に入る装飾を愛でながら蕩けた。
「なんでもっと早く来なかったんだろう。」と悔やみながらいただくお湯はとても切なく、体だけでなく心にも染みた。
二日目の帰りがけにフロント前の棚から、韓国風あかすりとフレッサーを購入。
記念という訳では無いが、使う度に玉の湯さんを思い出すだろう。
銭湯も一期一会。
「今」はその時しかない。
玉の湯さん、長きに渡る営業お疲れ様でした。
そして至福の時間をご馳走様でした🙏
※1010、玉の湯さんの紹介ページはこちら。
最後までお読みいただきありがとうございました🙇♂️