※照の湯さんは2022年11月25日をもって閉店されておりますが、こちらの日記は営業中、11月8日のものとなっております。
らかん湯さんでお湯をいただいた後、まだ見ることができた皆既月食をちらちらと見ながら亀戸駅に戻った。帰宅しても良かったのだが、足が自然と津田沼方面行き総武線に乗り込んで、小岩駅で下車してフラワーロードを歩いていた。
残念ながら2022年11月25日をもって閉店されてしまう。
いつものあつ湯に浸かり、いつもの永久腰かけに座り、脱衣場と浴室に流れるクリスマスソングを聞き、今年のクリスマスに照の湯さんが営業されていないことを考えつつ、いつもの心地好さにちょっとセンチになりながら蕩けた。
湯上がりに、建てられてから約70年経過した建物の脱衣場で、ここで40年商売したという女将さんと、「いくつの時から来てるから、ここに通ってもう20年近くになるよ」という常連さんたちと話す時間があった。
いろいろな人のいろいろな思いが詰まった空間。
一枚板の梁、大きな鏡を枠のように取り囲む桜材。
モザイクタイル絵の上に配されたマジョリカ?タイルなど。
ささやかな場所まで本当に贅沢な造りだ。
男湯側の脱衣場は直角、女湯側は角をカットするように一辺多い。
「あぁなっているおかげで、風の通りが良くて夏場でも涼しいのよ」
当時の大工さんが計算しての設計だろうか。
建築だったりタイル遣いだったり照の湯さんの設えが好きな自分に
「見せてあげたいわ、女湯のタイル絵」
「自分も実物を見てみたいです」
「女湯に誰もいなかったら見せてあげるのに」
いつもの話題の主はまだ見ぬ九谷焼の花鳥風月タイル絵だ。
「今入ってたのはあなただけよね?」番台の向こうにいる、湯上がりのお客さんに話しかける女将さん。
女湯のお客さんがゼロになるというチャンスがついにやってきたらしい。
「お客さんが来たら説明して番台で止めておくから、見てらっしゃいな」
手が後ろに回らないためのご配慮と写真撮影のお許しもいただき、自分と同じように一度実物を見てみたかったという常連さんと二人で禁断の女湯にしばし入室。
※脱衣所・浴室内は本来撮影不可ですが、特別に許可をいただいて撮影、掲載させていただきました。
引きで見ても近くで見ても見事だ。
色あせないタイル絵の美しさに目を奪われ蕩けた。
経年による劣化こそしているが、手入れは行き届きこの状態で現存していることの方が嬉しい。
浴室だけじゃなく脱衣場も同様だ。
「どう?すごかったでしょ?私の自慢の一つなの」
「凄すぎました」今でこそいろいろな感想がでるが、見た直後にはこの言葉しか出てこないのが本心だった。
お湯にお心遣いにと至福の時間をご馳走様でした🙏
あと何回、この看板を見ることができるか分からないけど、一回でも多く見られたらいいと思う。
最後までお読みいただきありが湯ございました🙇♂️
※脱衣所・浴室内は本来撮影不可ですが、特別に許可をいただいて撮影、掲載させていただきました。
※残っているうちにご覧いただきたい江戸川区浴場組合公式サイト「湯らり江戸川」、照の湯さんの紹介ページはこちら。
※初めて照の湯さんのお湯に蕩けたあの日のブログはこちら。